TeMo's TOWN

星野ても のオリジナルキャラクターイラストがメインのサイト。初めての方は『INFO』をご覧ください。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
アンサー学園学園祭をテーマにしたショートストーリー、後編です。
先にこっちの記事に入ってしまった方は先に、注意事項等が書いてある一つ前にある前編をお読みください。




それでは後編スタートです。

よっし読んでやるかという方は「続きを読む」をクリックしてください。





<#68へ   =戻る=   #70へ>


       -5-


一方その頃、チャパ王と栗リンは、最前列の座席で、てもちんとプーアルの出番を待ちながら、他の組の劇を鑑賞していた。

「桃組の『桃太郎~鬼をたずねて三千里』でした~。
次は、花組の『赤ずきん争奪!はじめてのおつかい』です。
開演まで、暫くお待ちください。」
司会者の声が会場に響きわたる。


もうすぐプーアルの出番だというのに、シェンロンが戻って来ない。
(何してるんだ…あいつは…)
チャパ王が、入口の方を見てみると、見覚えのある頭にマフラーを巻いた、サングラスとマスクを着けた、バンド仲間の男が、こちらに近づいて来るのが見えた。


「ゴメンゴメン、遅くなっちゃった♪」
自分達の元を離れた時には青ざめた表情をしていた男が、バラ色の笑みを浮かべながら戻って来た。
「あのさ、聞いて。さっき結構可愛い女の子に逢ってメアドまで貰っちゃったんだ~♪♪」
もしやとは思ったが、この男がゴキゲンな理由には、やはり女が絡んでいた。


栗リンがウンザリしながらシェンロンに言った。
「…はあ…また女か…、そんな誘拐犯みたいなカッコでよくやるな…。」
ウンザリした様子の栗リンとは対照的に、シェンロンは瞳を輝かせながら答えた。
「まさか…、勿論マフラーやマスクは外したよ。このカッコのままじゃただの変態に思われちゃうし、第一僕の自慢の顔を見て貰えないからね。」
テンションの低い男と、すっかりテンションがハイになっている男の会話はなおも続いた。
「…おい…、誰にも見られなかっただろな…?」
「平気平気~♪
彼女、僕の事“素敵なヒーローさん”だってさ。
女の子にしては声が低くて背が高いちょっと男っぽい感じのコだったけど、そこがまた可愛いかったんだよな~♪♪」
「あー、はいはい、良かったな…。」


チャパ王は2人の会話を暫くの間くくくっと、笑いながら聞いていたが、
「おめえら、女の話もいいけど、そろそろユースケの劇が始まるぞ。」
と、口を挟んだ。


「あ、残念。もっと話したい事は色々あるんだけど。ね~栗リンクン。」
「…俺は聞きたい事はもう無いがな。」






「お待たせしました。花組『赤ずきん争奪!はじめてのおつかい』です。」
司会者の声と共に会場は暗くなり、開演を告げるベルが鳴った。







お、プーアルの劇がいよいよ始まったぞ…




幕が上がり暫くすると、赤ずきんのお母さんの衣装に身を包んだプーアルが現れた。
チャパ王達はハラハラしながら、舞台上のプーアルを見守った。
台詞はちゃんと言えるのか、舞台上で蹴躓いたりしないだろうか。
まるで我が子の晴れ姿を見守る親の様な心境である。



劇もクライマックスに差し掛かった。
ダンスを踊る赤ずきんちゃん達のバックで、お祖母さんの姿をしたプーアルが、1人でキーボードの演奏をしていた。





あ、あいつが…、1人で演奏している…。






思えばチャパ王達が、舞台上でキーボードの演奏をする姿を見たのは初めての事だった。
だってほら、いつもは彼らと同じステージに立って演奏しているワケですから…。




ああ、頑張れプーアル、俺達がついているぞ。
チャパ王達3人は、いつの間にかプーアルに熱い視線を送っていた―。







       -6-


一方舞台上のプーアルは、真剣な眼差しで、キーボードの演奏をしていた。
生の演奏は、バンドのコンサートで慣れているとはいえ、やはり緊張する。
しかし、初めて経験した、ダンサー達のバックでの演奏は、いつものコンサートとは違った楽しさがあった。



ふと、プーアルは、誰かに熱い視線で見られているような気がした。
視線を感じる方へちらりと目をやると…




プーアルはギョッとした。自分に熱い視線を送っている相手が、最前列に座っている、見るからに怪しげなカッコをした3人の男達だったからである。
(な、な、何なんですがあの人達…。さっきから僕の方ばかり見ている…。)
出来れば関わりたくない怪しい集団に、自分は目を付けられてしまったとプーアルは思った。

とにかく怪しい男達の視線の熱さがハンパじゃないのだ。まるで自分を今にもこの場からかっさらって行きそうな勢いである。
(あああ…、変な事に巻き込まれてしまったらどうしよう…。こ、怖いです!!)
プーアルは恐怖で震えそうになるのをなんとかこらえながらキーボードの演奏を終えたのであった。








       -7-


てもちんが、舞台の袖で出番を待っていると、劇を終えたプーアルが袖の方へ引っ込んで来た。

「よお、プーアル、お疲れさん、良かったぜ。」
てもちんが、プーアルにねぎらいの言葉を掛けた。
「あ、てもちんさん…。」
プーアルは、気疲れした様子で語り始めた。

「僕本当に疲れましたよ。
怪しい姿の3人組に目を付けられて、キーボードの演奏どころじゃありませんでした。一体僕が何をしたというのでしょうか…?」

プーアルのこの言葉にてもちんは、こう答えた。
「お前のお祖母さんのカッコが可愛かったから目ぇ付けられたんじゃねえのか? 
こいつは俺の物だ~…みたいな感じで。」
半分冗談のつもりだった。しかし、プーアルは
「えぇっ!? そ、そんな…僕をどうするつもりなんでしょう…。はっっ…! もしかして僕を外国に売り飛ばす気じゃ… こ、怖いです…!!」
と、てもちんの言葉を真に受け、さらに話を大きくしてしまっている様子である。

プーアルは今にも泣きそうである。そんな彼に対し、てもちんは、
「心配すんなって。お前に手ぇ出す奴は俺がぶっ飛ばしてやるから。」
と言って、舞台へと上がって行った。







       -8-


「お待たせしました。次は乙組の『乙姫100%』です!」
てもちんが出演する演目のコールが会場に響き渡った。





いよいよてもちんの番か…と、言わんばかりに身を乗り出す無精髭の男と栗頭の男。
しかし、シェンロンだけは、他の2人と心境がちょっと違っていた。
(『乙姫100%』か…。階段で出会ったナース服の女の子もこれに出るって言ってたっけ…。お水娘ってどんな役なんだろう…。)





劇が始まり、主人公のスクーター場面が終わり、舞台は暗転した。
再度明るくなった舞台から、シェンロンがさっき出会ったナース服の女の子が姿を現した。
さっきのコだ…





って、え、え、えええーーー!!!





ナース服の彼女は、他の出演者の女の子達と明らかに異なる雰囲気を醸し出していた。
さっきは舞い上がっていて気に留めなかったが、こうして客観的に見てみると、彼女は、動きや発声の仕方が男っぽいを通り越して男そのものなのだ。




ひょっとして…彼女は…彼女は…
彼女ではなくて…





彼…??






う、嘘だ…、自分が心奪われた女の子が実は男だったなんて…、そんな事…そんな事…あってはならない…。



さらにこの後シェンロンは衝撃的な事実を知る事になる。



シェンロンの隣で無精髭の男と栗頭の男が小声で会話をしていた。
「なぁチャパ王…てもちんの役って…あれか?」
「ああ、あのナース服の奴がそうなんだろ。プログラムに書いてあったお水娘って、あれしか考えられんからな。」




…え、今何て…。


そう言えばプログラム、受付で貰ってから全然見ていなかった。
シェンロンは、プログラムを鞄から取出し、『乙姫100%』の出演者一覧に目をやると…




お水娘:てもちん






と書かれてあった。


シェンロンは一瞬頭の中が真っ白になった。
まさか自分がナンパした女の子が実は男で…それもただの男ではない、バンド仲間の男だったなんて…。

それじゃ僕が貰ったメアドは一体…。
上着のポケットから、丁寧に折り畳んだ、メモ帳の切れ端を手に取り、そこに書かれたアドレスの様な物を見て…




…シェンロンは驚愕した。




メモ帳の切れ端には、こう書かれていた。







nanpa-ha-hodohodo-ni-shiroyo@temochin.jp





“ナンパは程々にしろヨ@てもちん ドットジェーピー”











…彼にしてやられた…。






ああ、何という醜態!
こ、こ、こ、この僕が、女の子と間違えて男を…それもバンドの仲間を口説くなんて…!!
こんな大恥かいて、明日からどんな顔して街を歩けばいいのだろう…!!!




「…なぁ、シェンロン、お前の可愛い女の子はコレに出てるんだろ? 一体どの子…
…って、おい、お前、顔が真っ青だぞ…!!」
ショックで隣に座っていた栗頭の男の言葉すら耳には入って来ない…。
シェンロンは、整った顔に青筋を立てながら、ナース服の女の子…いや、てもちんから受けとったメモ帳の切れ端を握り潰し、呟いた。

「僕の純粋な気持ちを弄ぶなんて…、このお返しはさせて貰うよ…。」







       -9-


さて、そのてもちんは、舞台上で、お水娘を熱演していた。
登場するたびに、違う衣装に着替えるのは、なかなか大変だったが、七変化という、ある意味おいしい役を得て、彼なりに満足していた。

お水娘の役、実は劇の幕が開いてすぐぐらいは、この姿で人前に出るのは少々恥ずかしかったりもしたが、新しい衣装で出る度聞える、おおー という歓声は快感であった。



てもちんは、舞台上で、ふとプーアルが言っていた“怪しい3人組”が気になった。
(奴らは一体どんな奴なんだ…、確か…最前列の舞台から見て左側って言っていたっけ…)
てもちんは、最前列の左側に目をやった。すると確かに、見るからに怪しいカッコをした3人組が目に入った。しかし…



…あれ? 3人組の一番右側に座っているサングラスとマスクの男、確かさっき会ったような…



てもちんの目に入った、怪しい男3人組の1人は、間違いなく、ジュースを買いに行く途中で会ったシェンロンである。
という事は、あとの2人は…





あいつら…何であんなカッコしているんだよ…。






ボーカルはお水娘、キーボードはお母さんとお祖母さん、そして、ギター、ベース、ドラムの3人は怪しい男。





てもちんは思った。
じ、じ、、自分達のバンドって一体…。








       -10-


数日間に渡る学芸会も無事終わり、エンタメHEROの5人は、いつもの喫茶店“マーティ”で、打ち上げを行った。
打ち上げの席での会話の中心は、当然、学芸会で起こった出来事についての話であった。



「チャパ王さん、僕、怪しい人達に目をつけられて怖かったんですよ。」
「へ~、そりゃ大変だったな…。まぁガン見されただけで、後は何も無くて良かったな。」
チョコバナナサンデーを頬張りながらプーアルと話すチャパ王に、栗リンが語り掛けた。
「…あのさチャパ王、プーアルの言っている怪しい男達って…。」




…多分間違いなく自分達の事だろう。





しかしチャパ王は
「何言ってんだ栗リン、俺らが怪しいワケねーだろ。」
と、自分達のカッコがいかに怪しかったかという自覚が全く無い様子である。


プーアルはプーアルでまた、
「栗リンさん、僕は何があっても皆さんの事怪しい人達なんて思ったりしませんよ。」
と、例の怪しい男達の正体に、これまた全く気付いていないようだ。





栗リンの隣の席では、シェンロンがムスッとした顔で、メニューに書かれたコーヒーの欄を指差しながらてもちんに何かを言っている。

「てもちん、僕コーヒーが飲みたい。ブルーマウンテン1杯頼んで。」
「えー、お前それ10杯目…。勘弁してくれよ、払うのは俺なんだぜ!」

てもちんは、シェンロンのプライドをズタズタに傷付けた慰謝料として、今日の彼の食事代を奢らされる羽目になったのだ。




「だから~、騙したのは悪かったって思ってるぜ。お前があんなにショックを受けるなんて思わなかったからさ…

…って、元はと言えばお前が俺をナンパなんかするから!
おい、栗リン、お前もこいつに何か言ってやれ!!」






栗リンは思った。



…は~、全く…ナンパする方もする方なら、騙す方も騙す方だ…。








てもちんは言った。
「俺…もう女装はコリゴリだぜ。
男にナンパされた挙げ句奢らされたんじゃーな…」
プーアルも言った。
「僕も女装はもういいです…。
あんな怖い思いは二度としたくありません。」



二度と女装はしないと誓いを立てた2人に対し、栗リンは
「お前らの女装、観ていて面白かったけどな。本当にもうやらないのか?」
と声をかけたが、2人はキッパリと答えた。





「やらねぇ!」
「やりません!」











数日後、てもちんとプーアルの学芸会の写真が、女性週刊誌に掲載された。
彼らの学芸会の参加については、外部の人間には知られないようかなり厳重にしたはずなのに、マスコミは何処で情報を仕入れたのであろうか…。

週間誌の記事を見たファンからの要望で、てもちんとプーアルはコンサートでそれぞれナース服と、赤ずきんのお母さんのカッコをさせられた…らしい。






     -あとがき-


…な、何この話…、劇の中身について殆ど触れてないじゃないですか!!


要するに何が書きたかったのかと言いますと、ちょっと前から書きたいな…と思っていた、
“ロン毛かデフォを女の子と間違えてナンパする話”(←な、何を考えとんじゃワシは…!!)
を書きたかったのです…。
でも素顔のデフォを女の子と間違えるなんてどう頑張っても無理あり過ぎなので、今回デフォが、女の子の役をする事になった、アンサー学園の学芸会を、使わせていただきました。
…ああ、主催者様および出演者の方々、大変申しわけございません…!!



そして男子キャラファンの方々、彼らを色々とぶっ壊してしまい申し訳ございませんでした!! 特にロン毛!!!…私にカッコいいロン毛は期待しないでください…。



いや…、でも、書いている本人はメチャクチャ楽しかったです。話が上手くまとまらなくて、ものごっつい難産でしたけど。





<#68へ   =戻る=   #70へ>














テーマ:Answer×Answer - ジャンル:ゲーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。